Topics>起業と資金と女性起業家

練馬区が開催する「創業!ねりま塾」という無料イベントに参加してきました。こういうイベントでは、起業といってもベンチャービジネスというより、店を新規に開くといったような町の商店街的なイメージが強い。従って、店を開き継続するために、開店の費用や運転資金が必要となる。だから、国民生活金融公庫や東京信用保証協会から創業者のための融資制度の説明が最後にあった。

国民金融公庫では新創業融資制度があり、無担保・無保証人で1000万が借りることができる。金利は1.2%で、運転資金は5年以内、設備資金は7年以内に返済する。こういう起業というのは、やはり厳しい。いくら情報収集しても、予測はずれることが多いと思う。1000万借りることができても、返す目途がすぐには付かないだろうと思った。

Webビジネスの良いところは、そのリスクを限りなく減らすことができる。つまり、始める前にテスト運用を行うことができ、しかも無料でテストも可能である。そうすれば、起業のリスクはそれほど大きくない。

ところで、このセミナーにきていた女性起業家の話がけっこう面白かった。

この人は、最初ベビーホテルを作るビジネスを企画し実際に運用も行っている。しかし、ベビーホテルの運用の杜撰さがマスコミで報道されると、あっという間に市場は縮小し、法律による規制が入り、事業は頓挫してしまう(この人が開設したベビーホテルは、きちんとした運用をしていても、報道のおかげで、客は少なくなってしまったのである。)

その後講師などの仕事をこなした後、5年前にホームページ等の製作請負会社を設立し、今日に至っている。売り上げなどの具体的な数字が出ていなかったので後で質問をしたら、ここ2,3年はどこでもホームページ作成などはツールで簡単にできるようになってしまったので、売り上げは減っていると正直に教えてくれた。Web関連をここ10年以上見てきた私から見れば、2回目の起業ももう一つピンとこなかった。他との差別化やビジョンが見えてこないのである。このレベルだと、やはり地域に密着したビジネス以上には広がりをもてないだろうという印象を持った。

しかし、この女性起業家に学ぶ点はあった。このセミナーの講師である中小企業診断士の方が、最初にSKILLよりMINDが重要ということを言い、女性の方が起業で成功する確率が高いという話もした。それは、後に退けない状況に追い込まれているかどうかの違いだという。男の場合は、既に勤めている会社や財産がある場合が多く、好きな仕事をしたいという安易な考えの人が多いということである。これが女性の場合には、この仕事で生活をする、あるいは自分の存在を仕事に同化させているというような強い動機を持っているからだろう。

とにかく、既に65歳になるこの女性起業家は、好奇心もあるし、Web界の状況もそれなりに理解している。話していて、年を考えると正直すごいと思った。しかし、この業界の動きはとても速いので、30台、40台でも大変なわけで、その点ではこの会社は生き残っていくのは難しいだろう。

私が学んだのは、やはりMINDである。とにかく自分が社長になって、新しいことに挑戦し、人間関係を築きたいという真摯な気持ちである。

私が考えている起業のフレームワークは、このセミナーにあったような従来の枠におさまる起業とは異なる。もっと気楽に、わずかなお金と十分な知識によって、起業のシミュレーションが行なえ、その中で育ったものだけを成長させるような、リスクを小さくする起業というものをずっと考えている。ただし、いくらリスクを小さくしても、MINDだけは必要と思いました。それがこのセミナーで実感することができました。

2008年06月01日 | Posted in Topics | | 1 Comment » 

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コメント1件

  • studylog より:

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