本:西武王国 その炎と影

4882030411 西武王国―その炎と影
中嶋 忠三郎

サンデー社 2004-12
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「ミカドの肖像」を読んで以来、西武グループには興味を持っていた。この本はバブル崩壊前の1990年に出版の予定が、西武に買い占められて世に出なかった。その後、セゾングループの破綻、堤義明の逮捕があって、西武グループは解体した。それで、本書が出版できるようになったのだろう。逆に言えば、権力があるうちは都合の悪いことはもみ消し可能なのである。最初堤の土地買収の話が続き、あまりに淡々とした語り口に飽きてきたところ、8章「義明と清二と家庭」から俄然面白くなる。


西武にしてもフジサンケイにしても、王位継承でもないのに、後継者という考え方は馬鹿げている。いや王位継承などというもの自体が馬鹿げている。いずれにしても破綻していくのだが、清二と義明では大きな違いがある。清二はもともと相続そのものに関しても一歩引いているし、まだ好感がもてる。そして、今となってみれば、私財100億を清算のために投げ出し、本人は作家として充実している。義明は逮捕までいったわけで、守ってくれる人もいない。この状況は、実はこの本の中でのそれぞれの性格の違いとしても現れている。連想で、若乃花と貴乃花の兄弟に類似しているように思った。

それにしても、著者の率直さには驚いた。簡潔に述べているが、かえってその淡々とした語り口の中にリアルさがある。特に堤の三人の妻とその子供たちについての記述は興味深い。

2005年11月06日 | Posted in | | No Comments » 

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