本>自分探しが止まらない 速水健朗著

半年ほど前に出版された本です。週刊ブックレビューで鏡リュウジさんお勧めの一冊だったので、図書館で借りてきました。

速水 健朗
ソフトバンククリエイティブ
おすすめ平均:
「自分探し」の落とし穴に転落しかかっているあなたへ
自分探し真っ最中の人には理解できないかもしれないけど
流行の「俗流若者論」に、「自分探し」ってネタを流し込んで「一著」挙がり

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読み始めたら一気でした。4時間くらいで読める本です。

人間の根本的な悩みとして、自分の存在意義や存在価値がわからないというものがある。悩まず、自分の好きなこと、自分が面白いと思うこと、を人に頼らずできる人間というのは、1%もいないだろう。ほとんどの人は、「自分探し」を生きている間ずっと続けているのである。

ただし、「自分探し」に答はない。1人1人の持っている能力、置かれている状況、そして社会の方向性、などがすべて影響するので、一時的な回答を見つけられることがあるかもしれないが、時が経つにつれて、答は答でなくなり、新たな答を探して、悩むことになる。これが普通だと思う。

ところが、「自分探し」に答があると思い、それを安易に得ようとする人たちがいる。この本で扱っているのは、そういう人たちだ。自分には潜在的な能力があり、周りの環境を変えれば、何かが得られると思っているのである。確かに、海外を放浪の旅をして得られるものがあるかもしれないが、あくまでも一時的なもので、持続するものではない。それは、自分のものの見方が変わったかもしれないが、本人の能力は何も変化していないのだから。。

「自分探し」を安易に求めようとする人たちがいれば、「自分探し」ビジネスをする人間が出てくる。これは、当然だ。私は「起業」というキーワードでも同じような構造を見てきた。「起業」をしたいと思う人間がいれば、「起業」をサポートすることでビジネスを行う人たちがその周りをうろうろしているのである。「起業」する人間は、自分の中に新しいビジネスのアイディアを持っている。ところが、「起業」ビジネスをする人間は、基本的にノーアイディアである。誰かが会社を立ち上げるならば、そのコンサルティングをする、スタッフ業務を請け負う、など「起業」する人間に群がる連中である。ある意味「起業」くずれした人間たちである。「自分探し」ビジネスをする連中も、構図は同じだ。かつて「自分探し」をしていた人間が、インド旅行を企画したり、自己開発セミナーを主催したり、今までの自分の経験を基に、簡単に「自分探し」ができるパッケージを作って提供する。簡単に言うと、「自分探し」ビジネスが自分探しになってしまったのだろう。

とにかく、時代が変わっても、こういう人たちは一定の割合で存在し、なくなることはないし、私は特に関心はない。本人がきずくまでほっておけばいいもので、一生きずかずに終わる人もいくらでもいる。それでいいのだ。

最後に一言だけ。「すべての情報は疑い、自分の頭で考えろ。」

2008年11月25日 | Posted in | | No Comments » 

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