電脳>過剰と破壊の経済学(ムーアの法則)

1980年代以降の世の中の方向性を支配しているのは、ムーアの法則でしょう。
「半導体の集積密度がおよそ2年ごとに2倍になる。」という経験則が、1970年代から現在、さらに後15年ほどは継続するらしい。回路の線幅が原子の大きさになるまでは、現状の技術で間違いなく達成可能らしい。

しかし、このムーアの法則が世の中を支配している、といってもピンとくる人はほんの一部でしかないだろう。これをわかりやすく解き明かしたのが本書である。

過剰と破壊の経済学 「ムーアの法則」で何が変わるのか? (アスキー新書 042) (アスキー新書 42)
池田 信夫
アスキー
2007-12-10
定価 ¥ 760
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良書
情報通信革命は何処に向かっているのか…
日本経済再生の鍵はM&A
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ムーアの法則以外にも、通信やハードディスク容量に関して同様の法則があり、これらの相乗効果として、情報処理のコストがこの40年間にわたってコンスタントに下がり、それが社会を変革してきたと考えることができる。その基本は、微細加工技術なのである。

ところで、私自身が「根拠のない自信」を持つことができたのは、実はこのムーアの法則のおかげなのである。

何故、ムーアの法則と根拠のない自信が関係あるのか?それは、私自身がムーアの法則によって起こる情報処理コストの引き下げで、大きな恩恵を受けることが予測できるからである。この10年間も、そしてこれからの少なくとも20年間にわたって、デジタルシステムの設計技術(もちろんインターネット関連の技術を含んで)は、仕事がなくなることはないし、自分でスタートアップすることも容易だからである。

ところで、本書で面白いと思ったことは、2点。
①ムーアの法則を知れば、ある程度未来を予測できるということ。
②ムーアの法則を理解できないために、つまらないプロジェクトができ、失敗していること。

①本来、この部分のもっと詳細な分析があると面白い。2008年現在、音声処理や画像処理がPCだけでなく個別のポータブルな機器として可能になってきている。この状況を正確に予測できれば、ビジネスとしての成功をつかめたかもしれないのである。もちろん運もある。しかし、競争に参加できなければ、最初からチャンスはないわけで、まずはスタートラインに立てたか立てないかなのである。 とにかく、これから5年くらいで、ムーアの法則によって、どこまで情報処理コストが下がるかにあわせて、ビジネスチャンスがある分野が広がっていくので、きちんと予測できたものには、勝つチャンスがある。

②これは、国内でもUSAでも枚挙にいとまがない。本書でも、ハイビジョン、INS,VAN、TRON,デジタル放送、電子マネー、WAP、RFIDなどを挙げている。官が主導したもので成功したものはほとんどない。それなのに、まだまだこういうものが提案され、大学や企業が協力してつまらないプロジェクトが立ち上がるのである。 デファクトスタンダードというもの以外残り得ないことは、歴史が証明しているのですが。。。

2008年04月12日 | Posted in , 電脳 | | No Comments » 

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