脳>振り返る時間

時間だけは、私たちの制御を振り切って、無情に進行する。ドラッカーは言う、「汝の時間を知れ」と。いかに私たちは無駄なことに時間を使っているか。このしがらみから解放される唯一の手段は、不老不死?まあ、ちょっと話がそれそうなので戻しておくと、私のような前しかみないエピキュリアンでも、時間というものを意識する機会が、1年に2回ある。1回は人間ドックで過ごす時、そしてもう1回は今日聴きに言った演奏会である。なぜ、この演奏会が私に時間を考えさせるのだろう。

この演奏会は、ある音大のある先生に師事した人たちが、年に1回開催する。日比谷公園の向かいのスタインウェイなどの販売をしている会社の30人程度しか入れない小ホールで行われる演奏会である。もちろん、演奏者は8人のうち7人が女性。様々な年代の女性がショパンを弾く、モーツァルトを弾く、ベートーベンを弾く。そして、なぜか私はそこで10年、20年という時間を省みることになる。この日曜日の午後に、ひっそりとした小ホールで、演奏に聞き入る。とても贅沢な時間と思えると同時に、私に時間が経ったことを教えてくれる。この演奏会に来る人たちは、ほとんど知らない。だからこそ、逆に私に時間を意識させるのかもしれない。

ドラッカーの「汝の時間を知れ」の意味を逸脱しているのだが、自分に残された時間を知って、残りの未来をどうすべきか考えるのは、実はこういう機会しかない。貴重な時間である。

2007年03月18日 | Posted in | | No Comments » 

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