百冊013:レボリューション・イン・ザ・バレー

レボリューション・イン・ザ・バレー―開発者が語るMacintosh誕生の舞台裏
アンディ ハーツフェルド
オライリージャパン
2005-09
定価 ¥ 3,570
おすすめ平均:
Macintoshにまつわる最高の伝承
Macintoshを知るために、これ以上の本はないだろう。
決定版
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私はAppleⅡもMacintoshも自分で買ったことはない。使ったこともわずかしかない。しかし、Appleを語る本をどれだけ読んだことか、そしてどれだけ感動したことか。この本が私を夢中にさせるのは、何よりも開発当時の雰囲気を伝えてくれるからで、多くの写真がまたいい。P89のWozやP102のJobs,Bill Atkinson,P42のAdam Osborneなどみんないい顔をしている。Macintoshという芸術的なコンピュータが生まれてきた背景が良く理解できる。プロジェクトはそれほど期待されて立ち上がったわけではなく、様々な紆余曲折の中、しかし核となる熱い人たち(Burrell Smith, Andy Hertzfeld, Bill Atkinson)の信念があったからできた。とても貴重な本だ。著者のAndy Hertzfeldと翻訳の柴田文彦さんに感謝したい。


こういう開発の現場の雰囲気を伝える本を読んだのは久しぶり、というよりそれほどないかもしれない。古くは「超マシン誕生!」「闘うプログラマー」などがかなり生生しい。それに比べるとMacintoshの開発現場は、自由や楽しさにあふれているように思える。しかし、他の例と同じく、立ち上げに携わったものは、開発が完了すると多くは外に飛び出してしまう。しかし、Macintoshの開発チームが他と比べて幸福なのは、その名前が公開され、名誉を得たことだと思う。その前にも、その後にもこういう例はほとんど聞かない。
私にとって大きな発見は、JobsのMacintoshにおける役割である。今までもかなりJobsの悪い面ばかり見てきたような気がするが、本書ではかなりいい書かれ方である。PARCのBob TaylorとJobsは似ていると本書を読んでいて思った。本当に新しいものを生み出す力があるものを守り、自由に開発をさせる。しかし、方向性だけは自分の意見を通す。開発者との信頼関係は、本書でも十分読み取れる。ある意味、私のJobs観はここで180度変わってしまったかもしれない。

翻訳は読みやすく、かなり技術の詳細にも触れているが、的確だ。柴田さんだから当然のことだが、一つ今までになかったいい点に気がついた。この本は左が表紙で横書き。だからすべて名前はアルファベットで記述している。横書きだから当たりまえかもしれないが、やはり名前はアルファベット表記が自然で読みやすい。カタカナ表記でない方が圧倒的に良いということに気がついた。

とにかく、宝物のような本なので、ゆっくり2週間くらいかけて読んでいる間、本当に幸せな雰囲気を味わった。最後に、明らかに間違いと思われるところを挙げておく。次回に修正ください。

P161 上から3行目  Macの需要な進化の過程を系統立てて(誤)
              Macの重要な進化の過程を系統立てて(正)

P266 下から2行目  誰にともなく声を出した言ったそうだ。(誤)
              誰にともなく声を出していったそうだ。(正)

2006年05月20日 | Posted in 電脳:百冊 | タグ: 1 Comment » 

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コメント1件

  • パワボン より:

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