電脳>Googleを支える技術

1年以上前の本ですが、最近読みました。Googleの強みは、サーバーハードウェアやデータセンタにあるというような認識でしたが、この本を読んでGoogleの実像をいくらか修正することができました。

西田 圭介
技術評論社
おすすめ平均:
グーグルの電気代は気にしたことなかった…
エンジニア向けグーグル本
「Google誕生」との併読がおすすめ

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改めて、彼らの強みは、Webサービスに特化した分散処理に最適なハードウェア、ソフトウェアの組み合わせを実現していることだと思いました。

結局検索に関するアルゴリズムであったり、ユーザーインターフェースであったり、表看板としての機能は重要ですが、スケーラブルに実行できる環境あってのGoogleだということです。

分散ストレージ Google File System, Bigtable, Chubby
分散処理    MapReduce
データセンター ラック、電源最適化、電力配分

上記のような非常に地味な活動が2000年~2006年で行われ、その成果が現在のGoogleを作っているので、競合が追いつくのは難しい。特にこのアーキテクチャを実現するためのデータセンターは、かなりコストパフォーマンスが良いことが予測できます。

2008年あたりから売上げが鈍化していますが、コストを抑える方法はまだまだあるので、少なくとも5年は広告モデルだけで増益を確保できると私は予測しています。

この本で興味深かったのは、電力の最適化とハードディスクの故障分析です。

電力に関しては、特にインテルが省電力プロセッサやマルチコアに戦略転換する頃に重なっているので、クロックを上げることでどんどん消費電力が上がっていったので、対策も大変だったと思いますが、この2,3年の状況からすると消費電力当たりの計算能力は向上していますし、そもそも省電力にするにはマルチコアや分散処理が必要なわけで、どんどん良くなっていると思います。

ハードディスクの故障分析は非常に興味深いですが、メーカーなどの話が出ていません。産業用と民生用で故障率に差がないというのは、感覚的にわかります。だから使うのは民生用で十分だということです。温度に関しては50度以上ではこわれやすいという傾向は出ているので、これも感覚的にわかります。動作温度の上限が50度くらいですから、当然ですが、ケース内温度が簡単に50度を越えることを知らない人が多いと思います。大量に使っている人だけがわかる情報があると思うのですが、そういう具体的なことは書いていないのが残念です。

2009年04月25日 | Posted in 電脳 | タグ: No Comments » 

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