百冊021:プラネット・グーグル

コンピュータビジネスのお勧め百冊の中で三回目のグーグル登場です。アップルやマイクロソフトの紹介も多いですが、グーグルも興味がつきません。前に「ザ・サーチ」を紹介しましたが、本書は、「ザ・サーチ」の後のグーグルについてです。

ランダル ストロス
日本放送出版協会
おすすめ平均:
面白かった
開放性vs閉鎖性、アルゴリズムvs人間、正義vs自社中心の視点がおもしろい
グーグルの10年史

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取り上げられる話題は、①SNS、②専用のハードウェア、③アルゴリズム、④書籍のデジタル化、⑤ユーチューブ、⑥グーグル・アース、⑦Gメール、⑧ソーシャル検索、とグーグルの広がりを感じさせます。内容はかなり掘り下げていますが、現在進行形なので途中経過報告です。

この本を読んで感じることは、グーグルへの依存度を少し減らしておこうということである。Gメールにしても、iGoogleにしても、個人を特定して、どんなメールを誰とやりとりしているか、どんなキーワードで検索をしているか、グーグルは情報を収集しているわけで、利用のされ方によってはけっこうこわいところがある。もちろん、グーグルがその情報を個別に取り出して利用することはしないかもしれないが、現実としてグーグルのデータセンターにこれらの情報はある特定の個人の情報として格納されているわけで、いつでも分析可能なのである。

セキュリティの問題は、いくらシステムとして複雑に作ろうと、設計者が悪意をもって作れば、情報を取り出すことが可能である。つまり人間管理がポイントなのだが、それを継続的に保証することは、どんな会社組織でも不可能だろう。一番簡単な解決方法は、検索可能な場所にデータを置かないことである。Gメールをプライヴェートには使わないとか、iGoogleで検索は行わないとか、そういう配慮が必要となるだろう。SNSもどれだけ信用できるものかわからないから、使い方に気をつけた方がいい。

世の中の方向として、すべての情報をデータセンターに預けるということがどんどん進展している。しかし、自宅でプライヴェートなデータは保持し、間違っても検索対象にならない、という対策が必要なことも多くなると予測する。そういう意味で自宅サーバーというものも、今後需要が拡大していく気がするがどうだろうか。

2009年01月12日 | Posted in 電脳:百冊 | タグ: No Comments » 

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